雨が降り続く深夜二時、商店街の外れにある古びたゲームセンターには、今日も一人の少年がいた。高校生の蒼は、家にも学校にも居場所がなく、閉店間際のその店だけが落ち着ける場所だった。店長の老人は何も聞かず、ただ「風邪ひくなよ」とだけ声をかけてくれる。
ある日、蒼は電源の入っていない古い筐体を見つける。画面には「CONTINUE?」という文字だけが浮かんでいた。不思議に思いボタンを押すと、突然画面が光り、見知らぬ街並みが映し出される。そこには、小学生の頃の自分が立っていた。
蒼は毎晩そのゲームを続けた。失敗した過去、言えなかった言葉、逃げ出した瞬間を何度も見せられる。しかし最後のステージで、幼い自分が振り返り、「まだ終わってないよ」と笑った。
翌朝、蒼は久しぶりに学校へ向かった。雨は止み、商店街のシャッターの隙間から朝日が差していた。ゲームセンターはなくなっていたが、ポケットの中には古いコインが一枚だけ残っていた。