「私は好きじゃないよ」
「そっ、そうだですよね」
ごめんと呟かれる声。
それに被せるように、図書館にしてはずいぶん大きな声で言う。
「でも、好きにならなくちゃいけないとは思ってる。恐竜、好きなの?」
「はい……」
「じゃあ、教えて。チャットGPTに聞いても文字ばっかで分かんなくて」
隣の椅子を引こうとすれば思ったよりも重かったから、椅子の背を叩く。
彼を見上げてもう一度椅子の背を叩くも、座りなよのジェスチャーは届かなかったようだ。
「座りなよ」
緊張からか、カバンを抱きしめて猫背になっている彼に言葉で促す。
「えっ!」
「用事あった?」
「ちっ、違いますけど」
「じゃあ教えて。まずはフリルが何か」